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songline
ソングライン〈songline〉とは、オーストラリアの先住民、アボリジニが自然信仰のなかで、音楽や絵画、物語、ダンスなど様々な表現のかたちで記録し、伝達した「道」のことをいう。アボリジニの人々は、ゆく先々で出会ったあらゆるものの名前を歌いながら、世界を創りあげていったという。
伝えゆくこと、あるくこと、うたうこと。
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ゆく先々で写真を撮る。そこに目的はなく、多くの場合、心の動いた風景を、そのときの呼吸の手触りを、繋ぎ止めるように無心に撮る。日々のなかで路地をあるき、その場でイメージを記録することは、自分が最も身体に、世界に接近し、あわいをたゆたう瞬間に身を置くことでもある。故に最も切実な声の断片が、ここに記録される。
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うたうことは、自らの呼吸のまま声を世界に放ちながらも、同時に自他の境界を曖昧にする。放たれたうたは世界を溶かし、人々の原風景をかたちづくる。過程の呼吸によってでしか、見られない風景がある。それをうたいつなぐことが、自己と世界が、世界と他者が生きられるあわいを紡ぐ生きる営みであって、イメージの原風景だと思っている。
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異なり同士が生きられる風景を、うたいながら、私たちは探し続けるのだと思う。
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